FC2ブログ

経済古典は役に立つ

経済古典は役に立つ / 竹中平蔵


これは非常に面白かった。

アダム・スミス、マルサス、リカード、マルクス、J・M・ケインズ、シュンペーター、ハイエク、フリードマン、ブキャナンと言った経済学者たちの理論の簡単な解説を中心に、少しだけ現在の日本の経済政策とリンクさせているという本です。

御存知、アダム・スミスは「国富論」において「神の見えざる手」という市場メカニズムの存在を提唱した。

マルサス、リカード、マルクスは、人口増大や、地主だけが受益者となるメカニズム、余剰労働者の存在が、資本主義を崩壊に導くと説く。

実際、資本主義は今日まで存命しているが、大きな危機を迎えたのが世界大恐慌である。

その際に、所得の増大分ほど消費が増えず、足りないGDPは政府によって有効需要を創出すべしと言ったのがケインズ。

時を同じくして、シュンペーターは景気循環論を提唱して、不況は必要悪としその問題解決に積極的ではなかったが、イノベーションが経済発展の源泉であるという考えは、後にピーター・ドラッカーによってマネジメントの思考に受け継がれる。

ハイエク、フリードマン、ブキャナンらは、ケインズを批判しながら、それぞれ、集産主義(全体主義、共産主義)、スタグフレーション、財政赤字、といった問題を解決するための方法を考えた。

本の主張は一貫していて、経済古典は発表された当時は最新の理論であり、その時代の問題を解決するために生み出されたものである。したがって、「アダム・スミスが正しい」とか「ケインズが正しい」とかいう議論はナンセンスで、時と場合に応じて最適な経済政策を考えることが重要であるというもの。

ただ、竹中さんや元米国財務長官のローレンス・サマーズなどは、「モデレート・ケイジアン」と主張する。

つまり、アダム・スミスの市場メカニズムをベースに、必要に応じてケインズのように政府の財政政策を出動させるという考え方である。


経済古典は、それだけ読んでもバックグラウンドたる知識がないとなかなか理解するのが大変だけど、この本はそうした古典を時系列的に簡易的に説明してあるので、おすすめです。
スポンサーサイト



2011.02.01 Tue l 書評 l コメント (0) トラックバック (0) l top

コメント

コメントの投稿












トラックバック

トラックバック URL
http://ryryry.blog57.fc2.com/tb.php/1103-26965ec2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)