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門

門 / 夏目漱石


友人安井の女であった御米を奪い、代わりに地位や友情、信頼等あらゆるものを失った宗助と御米の夫婦生活が物語られる作品。「こころ」の先生を彷彿とさせるような話です。「門」というタイトルには、おそらく自己の内面と自己の外部である現実とを仕切る何かの象徴的なものではないかと思いました。夏目漱石の生きた明治時代は維新に始まりまさに変革の時代。そうした激動の中で世の中とどう向き合うかを考え抜いた末に作られたのが彼の作品であるという話を聞いたことがありますが、そう言われるとそう思えてきます。宗助は物語の終盤で山中に参禅しにいくのですが、そうした厭世的な行動にも現われているのではないですかね。「こころ」と違うと感じた部分は、あそこまでシリアスではないというところですね。先生の自殺と言う幕切れほど痛切ではありませんが、やはりハッピーエンドにはしたくないところに漱石の一貫した思想があるんだと思います…。

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2008.12.22 Mon l 書評 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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