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ドラッカーの遺言

ドラッカーの遺言 / ピーター・ドラッカー


世界最高の経営思想家と評されるドラッカーが亡くなった2005年にインタビューを受けたこの本。
とても感動しました。
あっという間に読めてしまう量とは裏腹にドラッカーの一言一言は重く、どれも考えさせられるようなことばかりでこれから先何度も読み返したいと思いました。

その中で、今の僕が勉強になったと感じたことを2つにまとめてみます。


1.情報化の進展に伴う保護貿易の限界

情報がグローバル化し、トランスナショナルな経済の勃興により保護貿易は息の根を止められる。
保護貿易により自国の産業を成長させてきた戦後の日本の高度経済成長は、情報化により新たな変化に対応せざるを得ない。
情報化が保護貿易の限界を示した例として、2002年アメリカが自国の鉄鋼業を保護する目的で輸入に関税をかけたケースを紹介している。
結局、自国のユーザー企業はより安く購入できる相手国が存在することを情報化に伴い瞬時に分かってしまうので、情報の遮断が不可能と感じたブッシュ政権は関税撤廃を余儀なくされた。
ここで面白いのが、かつては政府の思惑でそこまで情報をシャットアウト出来ていたということですね。
しかし、今となってはそれはもう考えられないこと。
1年間、ゼミで国際貿易論を学んできたけど、情報化と貿易政策のリンクに関しては斬新だったので、非常に興味深いトピックでした。


2.「やりたいこと」ではなく「やるべきこと」をするべき

有能なリーダーに共通の習慣の一つ。
例として、第二次世界大戦終焉直前に大統領に就任したトルーマンを挙げている。
アメリカのトップに立ったトルーマンは国内問題に最大の関心を持っていたが、外交問題に関しては全く知識を持っていなかった。
しかし、チャーチルやスターリンらとの会談で外交政策の重要性を痛感したトルーマンは、国務長官と国防長官に経験豊富な人材を抜擢し、毎日二時間外交問題のレクチャーを受け、「何をすべきか」を考えていた。
就任当時、トルーマンの最大の関心事は先代のルーズベルトが志半ばでやり残した「ニューディール政策」の完遂だったが、「自分がやりたいこと」の誘惑に打ち勝ち、「今やるべきこと」である喫緊の課題、外交政策の断行を決意したトルーマンはルーズベルト以上に評価できるとドラッカーは述べています。


大前研一さんもそうだし、話が面白い人は博識で話の中の具体例一つ一つが参考になって、説得力がある。
また、ドラッカーの日本への期待が何より読んでて励みになった。
世界最高の経営思想家、社会科学者の期待に応えることが日本の役割かもしれない。
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2010.05.08 Sat l 書評 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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