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戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する

戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する / 梶井 厚志


「ミクロ経済学-戦略的アプローチ」の著者である、梶井厚志氏の新書。

確か、ぼくが1年生の冬学期の「経済学入門」の教科書(か参考図書)に指定されていたはず。

大学に入ってから全く勉強してなかったぼくは、夏学期に「経済学入門」を前日の夜に勉強してギリギリの評価で単位を貰って喜んでいたが、冬に再履している友達がこの本を読んでたのを見ていつか読んでみようと思ったものである(もう3年前!)

内容的には、ゲーム理論の本でありながら「囚人のジレンマ」という単語も出てこないほど、アカデミックさよりも経済学を学んでない人にとっての読みやすさを重視した印象を受ける。

それでいて、経済学専攻の学生でも色んな発見のある一冊です。




第1章

○戦略=自分が自分の自由意志のもとにとりうる行動を、その将来にわたる予定を含めて記述したもの

○戦略分類の確定⇒戦略集合の確定⇒相手の戦略の確定⇒戦略集合の操作/相手の選択⇒戦略の組み合わせに対応する利益を考察⇒戦略の選択

第2章

○自分が受けとる利益は、自分の戦略行動のみならず他人の戦略行動にも依存することを認識し、自分と相手の戦略の組み合わせを評価する

○戦略的関係にある主体が、お互いの情報の構造を把握することが重要

第3章

○リスク⇒2つに分けられる。1.環境リスク、2.戦略的不確実性

第4章

○経済問題におけるインセンティブ⇒1.価格・金銭、2.法律・制度、3.宗教・習慣

第5章

○コミットメント⇒有効→予約、自転車と対向車、意中の女性に対する携帯メモリ消去。逆効果→じゃんけん、野球のピッチャー

○特許制度⇒開発した製品の独占を生む反競争的な制度に見えるが、将来の独占利益を保証する開発へのインセンティブ

第6章

○ロック・イン=スイッチングコストを利用して相手の行動を自分に有利になるような行動から変えられなくしてしまう戦略(Ex.携帯の学割、マックのOS)。偶然のロック・イン⇒JRの線路幅、PCのキーボードなど

第7章

○シグナリング=戦略的に相手にシグナルを送り、それによって自分の立場をより好ましいものにしようとする戦略的行動の効果(Ex.返品)⇒シグナルを使って自分のコミットメントの信頼を高める

○返品制度の趣旨に反して使用した製品の返品があっても返品に応じるって⇒品質の信頼感を高める戦略的なシグナリング

第8章

○スクリーニング=状態をもっていない主体が状態をもっている主体の属性あるいは行動へのコミットメントを探る(⇔シグナリング)Ex.誕生日を知らせる、早朝の講義

○逆選択=意図しない、あるいは意図に反するスクリーニング(Ex.保険)

第9章

○モラル・ハザード=相手の好みや性質がわかっていても、相手の行動が観察できないために生じる問題(道徳や倫理の問題にすり替えない、経済問題としてのモラル・ハザード)Ex.ジョー・ディマジオが心配のあまり妻のマリリン・モンローの映画撮影にしつこく行っていたこと

○(善悪は別として)ある種、天下りは公務員の数少ない成果主義の報酬(無駄を省くインセンティブの弱い公務員のモラル・ハザード防止)

第10章

○価格競争のコミットメント(ファーストフード、ガソリン)、規制の先読み⇒石油、JR

第11章

○オークションの戦略的構造⇒自分にとっての価値を知る
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2010.07.06 Tue l 書評 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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