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日本の難点

日本の難点 / 宮台真司


経済学も大して勉強してないけど、それ以外の教養にはもっと乏しい僕にとっては刺激的だった。
最近、社会学に少し興味がある。
客観性や定量的な基準がない(あるいは相当少ない)社会学の考え方は、どう評価すればいいのか非常に疑問なのだけど、逆にそういうところを突き詰めてみたい。

ぼくはあまり受講したことないからよく分からないけど
聞いた話によると、大学の講義も社会学部の場合、同じ授業でも担当する教授によって内容が全く異なるらしい。
結局、教授の専門分野に傾倒するらしく、逆に同じ教授の授業は名前が変われど内容はさして変わらなかったりするそうな。

「一体、社会学って何?」というのが正直なところではある。
けれど、何でもかんでも客観的にすればいいというものでもない。
経済学は社会学よりは客観的な観察による手法と理論を用いているけど、抽象化の過程で排除された要素の存在によって、相当現実と乖離していることも否めない。
どちらが良い悪いじゃなくて、個人的にはどちらも必要なんだと思う。
だからこそ、社会学を学んでみたいなと最近思うのです。

前置きが長くなりましたが、首都大学東京で教鞭をとる社会学者、宮台真司さんの本、非常に面白かった!
最近読んだ本の中でも一、二を争う面白さかもしれません!




1章

○人間関係のフラット化=単なる心理的傾向の変化ではなく、環境(流動性)の変化に対する合理的適応の結果

○郊外化=旧住民に対して新住民が増える動き

○入れ替え不可能性=関係の唯一性、が脆弱性の不安から人々を自由にする。


2章

○人間は、なぜか、利他的な人間の「本気」に「感染」する


3章

○宗教=「前提を欠いた偶発性」を受け入れ可能にするメカニズムの総体

○「能動的市民社会性」=家族や地域や宗教的結社に見られる相互扶助、小さな政府大きな社会。


4章

○他国に類を見ない特殊なアメリカの共通感覚⇒多数決の誤り等、正当性を絶えず人為的に創造し更新する工夫

○オバマの『「友敵図式」を敵とするメタ友敵図式』

○金融資本主義の是非⇒証券化そのものを目の敵にするのはナンセンス。「良い証券化」「悪い証券化」を見極める『民度』が大切。

○社会学者パーソンズによると、資本主義は前提として参加者がそれなりに社会的でなければならない。抽象化⇒秩序はゲバルト(暴力)によっても(=ホッブズ)、内発性によっても(=ロック)、実現出来るが、ゲバルトによる(=社会主義)よりも、内発性による(=資本主義)方が良い。しかし、ロックのように生来の内発性は想定できない。


5章

○卓越主義的リベラリズム⇒みんなで考えみんなで合議してもよく分からない事柄については、どんな手続きでどんな人間を参照すべきなのかについて合議すればいいという発想→社会システム論と地続き⇔裁判員制度

○民主主義の不可避性と不可能性=社会の複雑化によって、ますます民主的決定に任せるしかなくなる一方で、民主的決定の内容が正しいとは限らない状態⇒カール・ポパーのいうピースミールエンジニアリング(部分工学)で「様子見」、ソーシャルデザインを進めるプロセスプランニングしかない=民主主義を社会的なものにする

○社会学=「みんなという想像」と「価値コミットメント」についての学問
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2010.08.01 Sun l 書評 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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